花火の基礎知識
花火師の仕事の基本は、花火の製造から大会当日の打ち上げまでを行うことです。
しかしそれ以外にも、
イベントのテーマや会場、予算、時間などに合わせて
花火の演出方法や安全対策まで考えているそうです。
花火師は夏の間だけ忙しい仕事と思われがちですが、実は一年中花火を作り続けているのです。
新しい花火の研究開発や新作競技会への出品も積極的に行っているのです
花火師は体力も根気もいる裏方の仕事ですが、花火大会で大歓声に包まれたときには、大きな達成感があるそうです。
日本の花火玉製作には、世界で最も精巧で高いレベルの技術が駆使されているのです。熟練した職人の手作業で一つ一つていねいに作られ、工程の間に何度も
乾燥が繰り返されています。
直径30pの尺玉(10号玉)以上になると、完成まで3〜4か月もかかるそうです。
花火玉の基本構造@竜頭(りゅうず)上部につける縄の取っ手。ここにひもを通してつり下げて打ち上げ筒に
いれます。
A星花火の色や光を出す球状の火薬。花火玉の大きさによって、星のサイズや数が変わります。
B導火(みちび)導火線。1秒に1pの速さで燃え、花火の開く高さによって長さが決まります。
C割薬(わりやく)花火玉を破裂させ、星を四方八方に飛び散らせるための火薬。
D玉皮(たまかわ)星や割薬を詰める球状の容器。ボール紙を
圧縮したものが主流。
E間断紙(はさみがみ)星と割薬の間に挟む薄い和紙。火薬が摩擦で発火するのを防ぎます。
花火の
作り方1配合
火薬とその燃焼を促す薬品や、色や音を出すさまざまな薬品を計算し
て混ぜます。このように配合したものを「和剤」といい、これによっ
て花火の色やその濃淡、音などが決まります。
2星掛け
和剤にのりと水を加え、回転釜を使って丸く均一になるようにします
小さな芯のまわりに何層にも和剤を重ねてまぶし、星の粒を作ります
3乾燥
星を乾燥室や天日でしっかりと乾燥させます。星の種類や大きさによ
って、星掛けと乾燥を何度も繰り返しながら調整していきます。
4玉込め
半球状の玉皮に星をすきまなく詰めます。中心には間断紙を敷いて
花火玉を破裂させるための割薬を詰め、同じように作った2つの半
球を左右から合わせます。
5玉貼り
半球の合わせ目を紙製の
テープで貼って球状にしてから、帯状の
クラフト紙を玉の表面に厚みが均一になるように貼りつけます。
6乾燥
乾燥室や天日でしっかりと花火玉を乾燥させます。この玉貼りと乾燥
を何度も繰り返していきます。大玉ほどクラフト紙を多く重ねて貼る
ため、仕上がりまでに時間がかかります。
7仕上げ
玉の上部に竜頭をつけます。最後に、花火玉の名前を書き込んで完成
花火を1発ずつ打ち上げる昔ながらの
「単打ち」は、現在でも
花火師が手作業で行っています。また、最近は、
コンピュータの導入が進んだことにより、遠隔での連続打ち上げ操作も可能になり、スターマインなどの演出ができるようになりました。
(スターマインとは、花火の名前ではなく、花火を連続して打ち上げる方法のこと。打ち上げ順やタイミングを事前にコンピューターでプログラムし、一度の点火で数百発を連続して打ち上げるこの方法が、現在の花火の主流。)
単打ち花火の打ち上げ方
1打ち上げ筒の底に打ち上げ用の火薬を入れます。竜頭(取っ手)を
上にして花火玉を筒の中に入れてから、種火を投げ入れます。
2打ち上げ火薬に点火すると筒の中で爆発が起こります。発生したガスの噴き出す勢いで花火玉が上空に向かって打ち上がります。
3打ち上げ火薬の燃焼によって花火玉の導火線に火がつき、玉の内部に向かって燃え始めます。花火玉が上昇しきったころに玉の内部の割薬が爆発し玉が割れ、星に着火して花火が開きます。
おもな花火の種類菊や牡丹といわれる、限りなく円に近い形に開く花火は、実は日本の
オリジナル。きれいに丸く開くようにするためには、球状の花火玉を作る必要があります。これには比較的製造が簡単な筒形花火が主流です。
また、一つの花火玉で、紅、青、黄色、緑、
ピンク、水色、
オレンジなどの多彩な色を表現したり、「割物」「ポカ物」「半割物」「型物」などさまざまな種類の形の花火を作ることができるのも日本だけなのです
【割物】●菊</b>
中心から外側へ光の尾を引きながら丸く広がっていく花火。
いちばん外側の層に向かって、さまざまな色に変化していく。
●牡丹
外側に向かって、同じ色のまま丸く開く。複数で打ち上げたときに光跡が重なって色が濁らないので、スターマインで多く使われる。
【ポカ物】
上空で2つにポカリと割れた玉から中身が飛び出し、中に入っていた
星が落ちてくるときの光の動きでさまざまな形を表現するもの。
●分砲(ぶんぽう)
四方八方に向けて光が飛び散っていくもの。その予想外な動きと形に
個性的なおもしろさがある。
【半割物】
割物とポカ物の両方の要素を備えた花火。
上空で玉が2つに割れた後で、中に詰められた小さな菊や牡丹の花火が
ワンテンポ遅れて開く。
●千輪
菊や牡丹など、小さな花の形をしたたくさんの花火がいっせいに開く
もの。
【型物】
文字やキャラクターなどの具体的な形を表現した花火。
星や平面的に並べたものが多いが、最近ではさいころやメガネなどの
立体的な作品も登場している。
●ハート
歴史雑学
「た〜まや〜」「か〜ぎや〜」の掛け声は、江戸時代に人気だった
花火屋の名前のことです。
お互いに趣向を凝らした花火を披露して、その腕を競い合ったようです